Under the hazymoon

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兎角積読斜読

『虐殺器官』を読んだ夜にヴドワイゼルを

ふと思い立って、積ん読してた伊藤計劃『虐殺器官』*1を読みました。文庫が出たときに買ってあったのですが、冒頭の文体がジュヴナイルっぽく感じられて、それが理由というのも変なのですが、何となく読み進めることができずに放置してあったのです。文庫の…

宮崎駿と諸星大二郎

宮崎駿『出発点1979〜1996』*1より。備忘録として。 自然観と人間観は不可分であることを前提としての諸星評価がここにある。 (4)人民の描き方−諸星大二郎的な力量とものの見方がいる 愛する必要はない そのやさしさも愚かさも 利己主義もけなげさも そのわ…

このスカポンターン

実写版『ヤッターマン』、劇場で見てきました。実にくだらない映画になってて、楽しかった! 変にリアル路線にいくよりも、ギャグ方面で押し通したのもえらかったです。 それにしてもキャスティングの妙が大きい映画でした。演技らしい演技は生瀬ボヤッキー…

ちゃんと大人を描いた『電王』

「僕はもっと成熟した主人公が好きかな。千両役者がズズズイーッと謎を解く「電王」みたいな話の方がいいなあ。」と結んでいる中野さんの『電王』評*1を読んで、今更ながら宇野さんの仮面ライダー批評*2のすっきりこなかった理由がわかりました。 宇野批評で…

夜は短し歩けよエルヴィス

今年の小説初読みはこの2冊でした。 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)作者: 森見登美彦出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング発売日: 2008/12/25メディア: 文庫購入: 75人 クリック: 1,259回この商品を含むブログ (702件) を見る 人造人間エルヴィス作…

声に出して読みたい合気道、柔道、太極拳

斎藤孝さんが、内田樹さん、吉田秀彦さん、陳沛山さんと個別に対談したのが収録されているのでつい買って、積ん読になってたのをようやく読みました。 身体の知恵作者: 齋藤孝出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2007/03メディア: 単行本この商品を含むブログ…

名作キャラをステレオタイプな脇役として消費する贅沢さ

『赤壁の戦い』巻之上*1を見てきました。劇場の案内に2時間45分とあったので、予告を省いても2時間半、長いな〜と思いつつ5分くらい遅れて入ったらすでに始まってました。えーっと思ったところで聞こえてくるのが日本語でさらにびっくり。吹替版じゃないはず…

海外ロケシーンが長いなと思ったら。。。

相棒シーズン7が初回2時間スペシャルで始まって、のっけから海外ロケと豪華だな~と思って見ていました。 しかし海外ロケ部分が出てくるたびにその尺が妙に長い。すわりが悪くて数秒短くすっきりしてくれた方がいいな、もったいないからたくさん使ってるの…

静物画をはじめておもしろく見た日

ウィーン美術史美術館所蔵静物画の秘密展*1を国立新美術館で見てきました。正直、リンゴやバナナを描いて何がおもしろいんじゃ、と学校の美術の時間では思っていたのですが、意外に楽しめてびっくり。大人になったのだろうか(^_^;) いや、ヴァニタス画のよう…

東浩紀禅者説

こないだ八卦掌の練習の後、夏目さんと夕ご飯を食べながら、どういう経緯でか、確か身体へのまなざしのモダンとかプレモダンとかそういうところからだったように思うけど、ポスモダよう分からんねとかそういう話になったとき、ふと思いついたこと。 思想内容…

スーパーウルトラデラックスベストキッド

というわけで、『ドラゴン・キングダム』見てきました。ジャッキーVSリー、夢の頂上決戦ですよ! 話の構造は『カンフーパンダ』と同じカンフーオタクもので、つくりもオマージュ満載なんですが、こっちの方が実写の分だけ現実的な設定になってます。ようする…

方法論としての北村薫

本屋で『北村薫の創作表現講義―あなたを読む、わたしを書く』*1を見つけて、さっそく買って読みました。円紫さんと私シリーズのファンとしてその創作論を読んでみたい、から買ったわけではありません。 もともとその好きなシリーズでも発揮されている優しい…

対決−巨匠たちの日本美術

東博のスーパーファイト頂上決戦*1へ行ってきました。ホントはレインボーマンと月光仮面*2を見に行きたかったけど、思いっきり見そびれてしまい、こっちは何とかぎりぎりで。 しかし相変わらず、入場者満載でじっくり見ることなぞできず、ずばずば切り取るよ…

コロー 光と追憶の変奏曲

はしごして西洋美術館のコロー展*1も見てきました。こっちは完全に相方の趣味で、博物館好きの僕にはややアウェー。見たことある感じ絵がけっこうあるなーと思ってたら、むしろこっちが本家ということらしく、ちょっとしたお勉強気分。 閉館間際だったからか…

ベッタベタのカンフーもの

『カンフーパンダ』見てきました。一分の隙もないベタなカンフーアクションB級大作で、たいへん満足しました。正統なるジャッキー映画の後継者がこんなところにあったとは!てなもんですよ。 主人公が食いしん坊のパンダという時点で、正統派カンフーものに…

ガブガブの前でソーセージ食べていいんだよ!

韓国から帰国したその日に、ポニョ見てきました。ヒルズの一番大きなスクリーンで見てきたんですが、これ、ジブリ美術館のあのスクリーンで見たかったです。くじらとり*1の延長線上の作品で、大きなスクリーンに耐える描きこみではありましたが、もっと小さ…

ダゴンの子〜♪

一部で世界初子供向けクトゥルー神話アニメ*1として評価が高いというのが今回いちばん読みとしておもしろいポニョの評価のように思えます(^_^;) ま、それはさておき、PTA的に正しい批判にさらされてたりもしますが*2、まあそれはしんちゃんと同じで子供向け…

自転車乗らねえんだな

テレビで時かけをやってて、ながら見をしてました。確かによく動くし、絵もいい。だけど夏目さんが言ってた、坂を自転車で下りててブレーキかからんかったら途中でこけるよね、というプロットの肝心要のところのダメ出し、非常に納得しました。いやあ女の子…

ジョーンズ博士と水晶髑髏の王国

あーもう、おなかいっぱい大満足して劇場を後にしました。ポップコーンをほおばりドリンクをじゅるじゅる飲みながら見るのに最適な間のゆるさも含めて、まったく完璧な冒険活劇娯楽大作でした。おまけに使われているモチーフが冒険、SF、オカルトと、なんと…

7,8月はジェット・リー先生祭り!

今年の夏は見たい映画が多すぎます。『ハムナプトラ3』は舞台中国でジェット・リーが敵のボス?だし、『ドラゴン・キングダム』ではジェット・リー×ジャッキーチェン夢の競演ですよ(CGなくても、10年前に撮られていれば、とも思うけど)、そりゃ見ますよ。…

チビ×ノッポ恋愛物の系譜

『マンガをめくる冒険』を読んでいて、どう見えるかでタッチが変わるという表現はそれ自体新しいものではなくって、先行しているものとして登場人物の内面なり役割なりがそのまま外見にデフォルメされるという表現があって、その延長線上に、マンガの多様化…

世は萌えてこともなし

mixi経由で「20代女性の半分以上がコスプレやってみたい〜意識調査」*1なんてニュースの存在を知りました。 「20歳〜40歳の女性444人」にアンケートを採って、全体で「46.8%と半数近く」、「20代が55.9%と、6割近く」コスプレしてみたいと考えているそーな…

たいていのマンガは『24』ではない、と思うのだけど。

きちんとしたアーカイブで検証したわけではないので、結局個人的な体験からリテラシーの議論をしてしまうということを最初にお詫びしておいて、いずみのさんの『漫画をめくる冒険』を読んでの感想を書いていきます。んで、さらに、同書の主題である「プライ…

マンガ・アーカイブの必要性

夏目さんからいずみのさんの『漫画をめくる冒険』を買わせてもらって、楽しく読んだんですが、その感想はまた別に書くとして、まず思ったことの一つにこうした議論をアカデミックに発展させるにはやはりアーカイブが必要だなあということでした。夏目さんが…

『ハチクロ』に続き『おせん』も。。。

主演の女優さんはすんごくかわいいから多少原作と離れてても全然許しちゃうおぢさん、と思いたいのにそうさせてくれない非道い脚本のTVドラマシリーズ第?弾。蒼井優ちゃんの和服姿にはぐっと来るものがあるんですけども。多少アレでも『プロポーズ大作戦』…

フジとは違うのだよフジとは。。。

劇場版の『相棒』を観てきました。公開初日はファンの努め(^^ゞ 劇場は僕と同じで相棒ファンがけっこういたようで、ファンに目くばせしたようなシーンのときはあちこちで笑いが。それにしても年齢層高かった! 劇場版ということで、主人公たちによる「巨悪」…

魔法にかけられて

噂のディズニーセルフパロディ映画「魔法にかけられて」*1を見てきました。アニメの動物だとかわいいのに、同じことを実写でやるとどん引き、みたいな演出をしていて*2、主要登場人物もアニメから抜け出てきたような(まったくもってディズニーの)アニメ顔…

テケリ、テケリ

なんと諸星大二郎のクトゥルーもの?の「栞と紙魚子」シリーズ*1が実写ドラマ化*2されてました。日テレ深夜枠、『百鬼夜行抄』やってた枠でしょうか。さすがにあの画の雰囲気は出てないし*3、ちょっと特撮安いつくりではありましたが、何というかノリは再現…

俺の必殺技はニキニキだあ

そろって、ここ数年で一番の出来じゃないかと。特に後者はずっと物語を語り切れずに死屍累々でしたから。願わくは最後でずっこけませんように。

ユリイカ×ジョジョ

ユリイカの臨時増刊で荒木飛呂彦特集*1が出ました。一冊全部かあ。何だかどんどんファンロード化してるような気が。いい傾向です。とはいえちょっとファンレターな記事が多めなのも。そういうのはブログにまかせて、実証的だったり批評的だったりしたのを多…