Under the hazymoon

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漢々学々

内聖外王と静坐

シンポジウムで中島隆博さんが西田幾多郎(と丸山真男)と新儒家(熊十力、梁漱溟、牟宗三)を否定政治学から比較するという基調講演をされていた。どうも一昨年に書かれた論文をベースにされている様子。むう、読まないと。 とはいえ、勝手にこっちのテーマ…

呼吸と共生

台湾大学の国際シンポジウムで報告してきました。 みんな高級な発表をされる中、「実践としての共生哲学」というテーマで、ベタに実践について考えたらこんなことに。。。 http://docs.google.com/Presentation?id=ddt6q9vr_212fxc645d3 「呼吸と共生」とい…

卵筆流:殷周書法革命?

今回から書道史を習いながら、その時代の代表的なものを臨書することになりました。 僕も思想史とメディアの変化を絡めて話をしたりすることもあるんですが、書の方面はからきしだったので、非常に勉強になります。テキストとして出たばっかりの本をすすめて…

社会還元としての卒論公開

どことは言わないですが、卒業論文を必修としているにも関わらず、専攻分野の知識を社会で活かしてほしいからとかなんとか、別途卒業試験を課すことにしたところがあるようです。卒論の口頭試験の次の日に実施しているようですが、愚策の極みですね。まずそ…

やっぱり漢字が好き!

出光美術館で「文字の力・書のチカラ ―古典と現代の対話―」展を観に行ってきました。こういうの見たいと思うのって、卵筆流に入ってからですね〜。まだまだ分かってないですけど、多少楽しめるようになってきたもんね。しかし、高校生の頃に古文より漢文の硬…

年末続々中国古典学入門書

もう何年か非常勤で半期だけの中国の古典という授業をさせていただいているのですが、2008年度から教科書として漢和辞典を指定するという試みを始めてみました。中国古典に関する基礎知識だけでなく、多少なりともの実用性と、アカデミズムとしての中国古典…

討ち死にしたが終了

日米道教無事終了しました。もっとも事務方としては十全の仕事とはいきませんでした。自分の発表の準備がぎりぎりになったのがすべていけないわけで、全く僕の責任ですが、開催中の3日間は特段の大きな問題はなかったようですし、盛会に終わりましたし、安…

燃やした骨にも霊力はある

環境/文化研究会(仮)の例会でid:monodoiさんの発表を聞いて、風水などにみられる遺骨/遺体に生者と死者の霊魂の濃密な結びつきを想定する伝統的な霊魂観からすると、自然葬は拡散する無関係な他者の霊魂によって浸食される暴力になりうる可能性があると…

中国の共生思想:諸子百家のことばから

おとつい26日に職場の企画で実施した公開講座「共生への道を求めて−東洋の心に学ぶ−」*1で中国古典をネタに共生の思想について話させていただきました。主な内容は以下の通り。 「気」を語る言葉を、オカルトやニセ科学で言われるような実体的な何かとしてで…

小学館『日本大百科全書』が無料公開

小学館の『日本大百科全書』はこれまでも有料サービスでオンライン検索はできていたのですが、なんとYahoo!から無料公開されました*1。 Yahoo!百科事典 http://100.yahoo.co.jp/ Wikipediaと比べると、こちらはきちんとした学者や専門家の記名原稿というの…

伝統的健康観の闇

天漢日乗さんの記事*1より。自分の専門のみならず、フィールドワークで武術始めちゃったこともあって、こうした話題に無関心でいられないです。といっても出産の方ではなく、 ところで、 学園闘争が学生側の悲惨な敗北 に終わったあと、 全共闘の闘士諸君が…

至道不煩/Simple is best

土日と予定が4つ入っていたものの、体調の関係で×○×○な出席となってしまいました。実際、手足に吹き出物として調子の悪さは出ていてどうもよろしくありません。子供の頃アトピーだったし、汗腺にそって問題が。内外のバランスが取れてないのかもしれません…

日本中国学会第60回大会:2日目

午前中に会場に向かうバスで某先生と会って、そのまま百万遍で降りずに銀閣寺まで 行ってしまいましたが、何か。 ご覧のように改装中でしたが、庭はやっぱりよかったです。そんなこともありつつ、結局午後の発表を2つ聞いただけになってしまいました。 一つ…

日本中国学会第60回大会:1日目

午前に新幹線で京都まで移動しての参加だったので、発表は聞けずに、記念講演だけ聴講しました。 「東洋学のシンパ」とか書かれてて正直引いちゃってたんですが、レジェンド研究者の逸話を伺うのはやはり楽しかったです。 欲を言えばダークサイドも垣間見た…

祝!「カンゴロンゴ」レギュラー化、と日記には書いておこう。

前にNHKでお試し放送された「カンゴロンゴ」が日曜夜の新番組になりました*1。 「世直しバラエティ」だそうです。分かってはいたことですが、漢文への期待ってやっぱりそうなんですね。そして同時に、バラエティにしなければ届かない言葉として認識されてい…

ヴァーチャルブログ

シェリル*1とランカ*2の公式ブログについて、アメブロの芸能人・有名人ブログ一覧にはそれぞれ「総合 女性タレント MUSIC アイドル」と「総合 MUSIC アイドル」としか書かれていないし、ブログ自体にはマクロスFの公式サイトへのリンクもない。つまり実在す…

ダイナミック知識ベースモデル

守岡さんの「CHISEの設計思想」*1を聞きに行ってきて、「自動化」「機械可読」といった話から思いついた(だけの)データベース構想妄想を以下書いてみます。 CHISEでは、CHISE本体を親として、ドメインによってネームスペースのように追加の文字素性セット…

SATデータベースをみっくみくにしてやんよプロジェクト案

引き続き、次世代のSATデータベースを妄想してみます。CHISEとのコラボにとどまらず、ボーカロイドともコラボしちゃいました。というのはいかが。そわかちゃんならぬSATちゃんをマスコットキャラとして任命するのは当然ですw さて、まじめなプロジェクト名は…

北京オタク今昔

北京オリンピック特需で、大修館から北京ガイドが2冊出ました。 千田大介/山下一夫編『北京なるほど文化読本』*1は、『チャイニーズ・カルチャー・レビュー』*2メンバーによるライト版みたいな感じで、文学・映画・演劇・音楽・テレビ・マンガアニメ・アー…

宮崎論語補読(1)

縁あって9月から論語を読む会の講師?をすることになり、今日は打ち合わせ&顔合わせに行ってきました。 コンセプトとしては次の3点。 論語を声に出して素読する。 辞書を引いて漢字に親しむ。 伝統の蓄積を心にとめつつも、現代の言葉で考える。 で、頭で…

<a class="okeyword" href="g:lingxue:keyword:道教">道教</a>入門四天王

薄いけど図版は多いし情報も濃い、山川の世界史リブレットシリーズの1冊から横手裕『中国道教の展開』*1が出ました。道教入門書の新定番ですねーこれ。 同書の優れている点としては、学史的な問題意識をきちんと踏まえつつ、中国文化の中の道教という地図を…

東アジア宗教文化学会4日目:朝飯うまかった

水口さんといっしょにハングル分からない二人ながら地元の食堂で朝ご飯食べて、そんで空港に向かって帰国の途につきました。けっきょく食堂でのご飯(と着いた日の夜の街場の食事)がいちばんうまかったです。うーん、消化不良。

東アジア宗教文化学会3日目:政治的に正しい宗教研究

午前はえらい人のシンポ、午後は見学でした。シンポジウムについては、さすがこういう場では政治的に正しい発言しかありえないよね、という想定内のものでした。 が、考えてみれば、しかしその内容は何も解放後に語られるようになったことではなく、近代にも…

東アジア文化学会2日目:韓国の仙道も70年代からですって

個別発表で「『黄庭経』解釈の変遷−存思から内丹まで−」というタイムスパンのえらく長い報告をしてきました(^_^;) 予稿の紙数の関係で調べた資料をけっこう落としたので、論文化するときに入れ込んでいって少しは見通し立つようにしないといかんです。しかし…

東アジア文化学会1日目:空港タクシーでぼられる

所定の時間とはずれた到着だったのに向こうの院生さんたちがお出迎えしてくれました。ハングル分かってないんで、ホテルまでけっこう冒険かと思っていたんですが、タクシーまで案内してくれて一安心。。。と思ったら、運ちゃんにぼられました。なんじゃそり…

漢学研究の心意気

今日は今日とて日本聞一多学会の大会があって、朝から下っぱ53号として働いてました。気の回らない人間の割に事務仕事したりするのが好きなのは、実践の問題に目が向くのと関係あるのかな、でもフィールドワーカーが事務が好きってわけでもないかと、とかな…

最初の一人さえ説得できてなくていいのか?

職場で台湾の大学との学術交流会がありました。通訳ひどかったと我ながら反省。中→日の方がまだましか。事前に予習しきれんかったのが悔やまれるけど、まあレジュメもあったし大きな誤解はなかった模様。と日記には書いておこう。 それはさておき、議題とは…

現代に勝手に生きてる中国哲学シリーズ

四谷会談の方に「歴史家としてのウェブ」というのを書きました*1。 *1:http://fobo4.blogspot.com/2008/06/blog-post_23.html

小さなデータベースの消滅

データベース消費を近代以前にも見いだせるのであれば、問題の本質は大きな物語の消滅ではなくて、小さなデータベースの消滅による大きなデータベースの登場にあるのではないでしょうか。そんなことを考えてみました。 もろさんも書いてるユリイカ2008年6月…

ケサランパサランと摩尼宝珠

ケサランパサランの記事*1について、id:monodoiさんから教えてもらった論文*2をさっそく読みました。うちは妖怪学のふるさとだけにそういった資料はきちんとあるのです(ウソ で、飯倉論文については、民俗資料からマンガまでを縦横無尽に引用されてて楽しく…