Under the hazymoon

http://researchmap.jp/nomurahideto/

カンフーマスター<a class="okeyword" href="g:lingxue:keyword:譚嗣同">譚嗣同</a>?

理気二元論で、理がイデアなら気はエーテル。で、やっぱりエーテルやるなら譚嗣同からだよね、と今さらにちゃんと調べなきゃと思ったんですが、Wikipediaの項目最後の数行に、

人物高尚にして、早くから回族の師について武術を学ぶなど実行を尊ぶところが後進に慕われ、若き日の毛沢東ら湖南の青年たちは「譚嗣同の英霊が宇宙に満ち、二度と死滅することがない」(李鋭『毛沢東同志初期革命活動』)と記している。

とあって、別の意味で燃えた次第です。回族の師に武術を学んで、死後は英霊宇宙に満ちちゃうんですか!
とりいそぎ、『仁学―清末の社会変革論』(amazon, bk1)を入手したところ、Wikipediaの文章は同書の解説を抜粋したものだと判明、武術ネタ、もっと詳しく書いてありました。大刀王五という有名人と義兄弟のちぎりを交わしていたそうです。で、これをググるとかなりよいネタが転がっていました。梁啓超に「幽燕大侠」と呼ばれていたとか、TVドラマまであるんですねえ。み、見たい。ちなみに国学に李敖という人が書いた歴史小説『北京法源寺』が全文掲載されてるんですが、その第八章に大刀王五と譚嗣同のエピソードが語られています。

 大家做朋友,做到了第十年,一八九八年到了。谭嗣同应召进宫见光绪皇帝,并在军机处做了四章京之一,消息传遍了北京城,也传到了镖局。
  “他去见了皇上!”“他去见了皇上!”六个字,像空气中钉进六颗钉子,王五他们呆住了。他们互相看着,都不说话。有人沮丧地低了头。
  “谭嗣同背叛了我们!”胡七突然斩钉截铁。“没有,谭嗣同没有背叛你们!”一个坚定的口音响在门口,站在那里的,正是谭嗣同。

……

“你!你!你他妈胡说!”胡七陡的站起来,撩起了袖子,大家也部站起来。王五把左手手心向下,从左胸前向外划过,暗示不要轻举妄动。谭嗣同坐在方桌的一边不动,神色安详他说:“五爷、各位,你们总该先听我把话说完。说完了,大家好合好散,也落个明白!”
  “他妈的你去见了满洲人,并且一见还见的是满洲头子,你背叛了我们,你还有什么话好说完!我们这样看得起你,原来你背叛了我们!”胡七吼叫。
  “七哥……”谭嗣同开口。
  “你别叫我七哥!七哥是你叫的!我们的交情,今天就是完了!你别叫我七哥!”
  “好吧,我不叫,我只是请问你,我……”
  “我不要听你我、我、我,我们拜了把子,今天就要同你拔香头;我们发誓同年同月同日死,你记住,明年的今天,就是你的忌日”胡七一边吼着,一边越过方桌,直朝谭嗣同扑过来,大家也一拥而上。茶杯滚到地上。
  “住−手!”王五的洪亮喊声,使人人都立刻缩了回去。谭嗣同安详地坐在那里,鼻孔流下血,茶水溅满了一身。他任鼻血一滴滴淌下,擦都不擦。他稳定得像一尊佛像,不是金刚怒目,而是菩萨低眉。
  王五突然翻开了小褂,掏出了腰间的匕首,明晃晃的,大家望着他,可是谭嗣同若无其事。王五把自己白色小褂最后一个钮扣解开,左手拉起了衣角,用匕首朝小褂割去,割下一块方形的布,收起匕首,把布铺在左掌上,朝谭嗣同鼻子捂上去,他右手按住谭嗣同的肩,说:“到床上仰着躺一下。”
  王五扶谭嗣同躺在床上,叫人拿两条湿手中来给他,亲手用一条擦掉脸上的血迹,另一条折好,放在额头上。他伸手拉开了被,为谭嗣同盖上。然后打个出去的手势,他却不先走,让大家先出去,然后轻关上门。


。。。か、かっこよすぎ。マジ武侠小説の世界になってます。このあと、そうだよ譚嗣同は裏切ってなんかいないよ、でも康有為は信用できんとかやりとりが続きます(爆
 
すごく気になるのが、譚嗣同が習った武術は何だったか、ということなんですよね。そんで、その武術を習ったことが彼の『仁学』の思想にどう影響を及ぼしているか、ここを確かめたい。先行研究何だかなさそうなんで、いけそうなら論文書いちゃおうかとか妄想してる今日この頃です。アホですね。
 

ココログ時のコメント

いわと
回族の師とわざわざ書いてある所を見ると、やはり回族武術ですかね。心意六合拳八極拳、譚腿(弾腿)とか。

ぱーどれ
> 心意六合拳八極拳、譚腿(弾腿)とか。
やっぱまっさきにそこを想像しちゃいますよね。ちょっともう少し調べてみないと確たる事は言えませんが。とりあえずTVドラマを見る人が見れば、現代中国でのイメージ(史実とはかぎらない)はすぐに分かりそうです。
ちなみに、僕の頭の中では、譚嗣同はじめ近代中国の思想家たちが原哲夫キャラに脳内変換されはじめました(^_^;)

ixima
はじめまして。
同門にこのような方がいらっしゃるとは、存じ上げませんでした。blog、興味深く拝見させていただきました。
 
大刀王五こと王正誼は、劈掛、六合拳、単刀などを学び、譚嗣同との交流で通臂拳を学んだようです。
 
大刀王五、譚嗣同ともに近代の首都北京で活躍した有名人なので、武侠小説や映画などでよく取り上げられているようですね。
 
では、練功をともにがんばりましょう。

ぱーどれ
はじめまして。確か李老師の講習会で挨拶程度はかわしたかと。最終日の懇親会のとき少しばかり通訳のお手伝いをしておりました。
ブログの武術ネタは、実践よりも、自分の専門に引き寄せて考えております。もっともまだまだ妄想の段階で、論文化には遠いネタが多くていかんです。
 
> 大刀王五こと王正誼は、劈掛、六合拳、単刀などを学び、譚嗣同との交流で通臂拳を学んだようです。
 
なるほどそうですか。情報有り難うございます。思想研究としては、じゃあその武術と譚嗣同の思想はどう関係があるの?というところが最大の関心事で、内家拳だったなら最近当時の拳譜を集めだしていたんでどうにかなるかなーとか甘い考えだったんですが、どうも範囲をさらに広げる必要があるということですね。。。
ともかく『仁学』を読みつつ、『譚嗣同全集』もチェックしないといけないわけですが、ちょっとそこまで手がまわるだろうか。うれしい悲鳴です(^_^;)
 
ともあれそれはさておき、走圏にいそしみます。ぐるぐる!

ixima
すいません、譚嗣同のことを書くのを忘れました。
 
譚嗣同は少年の頃より通臂猿・胡七より刀[金間]拳術を学び、後に大刀王五より単刀、騎術、気功を学び、その「鋤強扶弱」の侠義行為に深く感動し、救世を本領として練武した。
 
中国武術人名辞典」にはそんなことが書かれています。
 
王正誼は八カ国連合軍で北京に進駐したドイツ兵を襲って射殺されたそうですね。八卦門の程廷華にも同じようなエピソードがあります。
 
出典は解りませんが、笠尾恭二氏は、程廷華が義和団のメンバーだった、書いておられました。もしかすると、王正誼や譚嗣同もそうした影響を受けていたのかもしれませんね。
 
> 最終日の懇親会のとき少しばかり通訳のお手伝いをしておりました。
 
思い出しました。出口で李先生への挨拶を通訳していただきましたね。その説はありがとうございました!
 
今日も練功でした。相変わらずキツイです。がんばりましょう!

ぱーどれ
譚嗣同情報ありがとうございました。やっぱり辞書の類を揃えないといけないですね。
エーテル理論の関連で10年くらい前に何本か書かれた後はあんまり研究されてないみたいですし、他のと並行してのんびり調べてみようかと思っています。