nomurahideto's blog

http://researchmap.jp/nomurahideto/

単換掌は蛇の動き

 今日の李老師講習会では龍形走圏と単換掌を重点的に指導してもらいました。龍形走圏で難しいのが身体をねじり、肩を落とす(脱開)ことですが、そのための具体的な指示として、

  • 内側の手は肩・肘・手首が水平に伸びて人差し指が鼻の高さに等しいように保つ
    • このとき、腕は「似直似曲」(まっすぐなようでもあり曲がってるようでもある)状態になります。完全に曲がったり、のびたりしてしまうと、気が通らなくなって力がでないそうです。
  • 外側の手は掌を肘下に押し込むようにする。

の二点がありました。また実際にまわっているときに、内側の手が進行方向と垂直になるぐらい開くようにして、それを首と外側の手がおいかけ、でも胸は落とすようにとの指示をいただきました。確かに上半身がぐいっとねじられますが、これを続けるのしんどいです。

 ところで、龍形はまだ初学者の段階ではあまり長くしてはいけないそうです。長くて10分ぐらい。というのも手をつかうので気が上がりやすいため、気を落とせない段階ではかえって気を散じてしまうからだそうです。だから身体の調子が悪いときは龍形の練習をしなくてよいとのこと。
 続いて単換掌の練習に入りました。走圏の型を完璧にこなすにはどれだけ努力してもしたりないけど、単換掌の方はそれに比べればまだ型を完全に近づけることが容易だよ、とのことでした。富士山がチョモランマより低いから登るのが容易か?というくらい、僕にとって難しさにはさして変わりがないんですが、李老師の言われることは何となく分かります。
 んで、動作の一つ一つについてポイントを教えていただきました。そういえば一昨日の講習会で言われた重要なことを思い出しました。掌法は実際には流れるように行われるものですが、練習の際には動作一つ一つを明確に切り分けて行いなさい、と指導されたのでした。その動作の意味を理解して要求をきっちりみたすことが重要だとの由。いや確かに指示されたポイントに留意して行うととてもスムーズには行えません。一つ一つをひいこらいいながらやる羽目に。
 特に大切なのは、 

 換掌換歩矮身骸(換掌は歩を換え身骸を矮くす)

と言われるように、扣・摆歩を行って身体を左右に転ずるにあたり身体を低く保ち続けることだとのこと。蛇のようにという所以がここにあるわけですね。馬貴は単換掌の練習をする際にロープを張ってその下で行い、身体が起きないようにしたそうです。しかしこれは李老師でもまだまだこなせない難しい要求だとのこと。確かに李老師ですら気を抜くと(というか指導しながら行うと)「葉裏蔵花」のときに身体の高さが戻ってましたので、馬歩のときにきつくって全然高さが落ちない僕には遠い話です。もっともイメージとしては常にそこを保って行わないと行けないんでしょう。単換掌で身体を転ずる際に身体を低くするのは、虎が獲物を捕らえんと身構えるときと同じであるとの説明がありました。そのように力を凝縮させることが肝要なのでしょう。僕なんか、いつか虎になるぞと狩りの練習をしてる子猫状態のような感じですが。李老師が今回強調されてるように、動作の意味(こめられた思想や原理)を理解すること、たとえ完全に行えないとしても、それが大切だそうですから、今はまだこれでいいのかも。
 今回は龍形、単換掌ときて、また熊形に戻りました。李老師曰く、単換掌までを熱心にやったことで、汗とともに身体の悪いものが全部出て*1、今身体の中はきれいな気だけなので、これを養うために熊形をやりましょう、とのこと。通常と逆もありなんですね。ところでこの熊形のときに、李老師に思いっきり身体をねじるように促され、内側の足のさらにうちに両手が出るまでねじることに。ひいいい。つらい。しかし周りの人や李老師自身そこまでねじっておらず、いっても外側の手が両足の間ぐらいまでです。後で、考えすぎなのは分かってるんですが、と前置きしつつ聞いてみたところ、え、そんな風に教えたっけ?とのお返事が。な、何ですと〜! 確かにそうですと問い返させていただくと、それは今のあなたの段階ではそうした方がいいと思ったからです、とのことでした。後でみなさんに聞いてみると、みんなそうされたことがあるとか。なるほど通ってきた道なんですね。李老師が一瞬答えに窮したのが興味深かったです。つまりおそらく、一目見て、あ、ここがまだできてないな、とか言語化以前に分かってしまわれるんでしょう。そこでちょこっとくいくいっと修正を加えられると。伝統的な教え方はなるほどそうなのだろうなと垣間見た思いはあるのですが、こちらは悲しき近代人、なかなかそれではつらいものがあります。遠藤老師のきめ細かい指導を受けてないと、かえって消化不良を起こすかもと思いました。真実は近くて遠いです。

*1:デトックス?