巡礼の旅と信仰

著者の菊地さんから恵贈いただきました。『奇跡の泉へ―南ヨーロッパの聖地をめざして』*1は手のひらにおさまる本に、南仏やスペインやイタリアの巡礼の地を巡る旅路をやさしい言葉と写真でつづったエッセイ集です。
　

西洋と東洋を比べるときに、つい自分たちのところに届いたものは、遠くから異国の地に旅してこれるだけの力強いエッセンスであることを忘れて、自分たちの日常と引き比べてしまいがちです。信仰の現場は、洋の東西も時の古今も変わりはないのだ、変わらないことがいいことかどうか、それはまた問題なのですが、そこを忘れてしまうと、やさしさのない議論になるんじゃないか、それはやはり僕は個人的に好きになれないのです。なので、こういう本を読むと何だか安心して、ロジなき路地を人が行き交う彼の地に思いをはせてみたくもなるというものです。関連する教会音楽のCDも来歴とあわせておすすめしてあって、うれしいです。どれか聞いてみよう。

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