nomurahideto's blog

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脊椎は龍である

 今日からしばらく李老師スペシャルです。本日は熊と龍の走圏・単換掌・熊形掌法・発勁2種を習いました。
 

 まずは基礎理論についての講義です。人間の身体を二通りの見方で切り分けると、一つは上・中・下、一つは内・外になるそうです。養生という観点で重みをつけると、上と下では下がより重要、下と中では中がより重要となり、内と外では内がより重要となるそうです。具体的には内とは腎と胃、外は腰や下の筋骨になります。上・中・下が何を指すかは特に話されませんでしたが、上が胸から上、中が腹と腰、下が足、ですよね。走圏では具体的にこれらの身体をどのように動かすかという要求がありますが、その目的は外面的な動作を問題にしているのではなく、身体の動き(=身法)を通じて、気・血・脈・筋を潤滑に巡らせ充実させることにある、と。「立鼎除内傷」と言われるように、身体を安定させると身体の内側が癒され、それによって気血の充実が実現されるのである、と。問題は頭でそうと分かっても身体で理解できるかということで、簡単なことだけども常に意識しなくてはならない重要なポイントなのだそうです。
 ところで身体の中で運動能力や健康の要となっているのはどの箇所でしょうか。それは脊椎なのだそうです。一般に足腰を鍛える練功法まではあっても、脊椎を鍛える練功法は少ないそうです。そうなると足腰より脊椎の方が重要なのかしらん。しかし、李老師は「少年練腰練到老。能文能武寿也高。」という言葉を引かれて、腰の練功が肝要であるとの話もされたんですよね。え、じゃあ腰=脊椎ってこと?うーみゅ、違うよなあ。腰と脊椎はどういう関係にあるのかしらん。李老師に休憩時間中にその点をお尋ねしたところ、にこやかに「慢慢来」とのお答えが。まだ僕のレベルではそこを理解するまで来ていないということなのでしょう。脊椎については首の根っこから仙骨のところまでという一般的なイメージでよいそうでしたから、身体の一体感と関係あるんじゃないかと思うのですが、遠藤老師から亀背で縦と横で包み込むような話をお聞きしたことがあったような。まあ今は今の自分に必要なことだけを考えて練習すればいいやということで、この件は一時棚上げ。
 ともあれ、脊椎は「脊椎是条龍」と言われるほど大変重要なのだということでした。では具体的にはどうやって鍛えればよいのでしょう。実は単換掌の回転はその鍛錬なのだそうですが、もっと脊椎の鍛錬に特化した?方法として熊形掌法を教わりました。ぱっと見て、ホントに熊です。熊形走圏がのっそり歩く熊だとしたら、こっちは熊がぐわーぐわーと踊ってる感じです。しかし難しく、よく分からないままこの練習は終了。がーん。
 つづいては発勁の方法を二つ習いました。李老師はもお、どっかーんて感じでしたので、いざ自分が練習するときもつい勢いをつけてやりそうになるのですが、それではいかんのだそうです。ぐっとねじってためられた力をもって腰から肩へ力を通して打つのだそうです。でもねじりを解放する力ではないそうで、理屈としては分かるけど、全然実感できません。要求に忠実にやろうとすると、何だかへなへなにしか打てません。しかし、遠藤老師からはもっと前後にのばしてと声をかけていただきましたが、もっと力強く、とは言われませんでした。走圏の力が勁の力だとすれば、今の僕のレベルではへなへなでよいのかもしれません。凝縮と発散というイメージでいいのかな?
 てなわけで、相変わらずついていけないレベルで話が進行している感があるのですが、李老師曰く「失之毫厘、差之千里」、最初のわずかな間違いが将来取り返しのつかない大きな間違いになるとの由。理論が未熟であっても、高い技術や能力を持ってさえいれば、そのときはよい結果を出せるかもしれない。しかし将来的に身体を傷つける要因となる。常に今持っている力よりも相当高い理論的理解を与えることで、それを十全に理解できなくても指し示されることで、将来道を間違えないよう正しい方向(養生的な正しさ、というこよとわりはここで入れておきましょう)に向かって練習できるのだそうです。伝統的な教学システムがここでも生きているわけで、これはこれで合理的だと思います。
 そうそう、脊椎を龍と呼ぶのは龍形走圏と何か関係あるのでしょうか、とお尋ねしたところ、あんまり関係ないなあとのお答えをいただきました。脊椎の方は、中国で古来貴重なものを龍に例えたことによるわけで、脊椎が龍のようにうねるとかそういうことではないよ、とのことでした。では龍形走圏の龍はといえば、元々は蛇に模してるからだよ、とのお答えが。うーんプラグマティック。
 
 講習会については、夏目さん*1やうふちゅん人さん*2のブログもどうぞ。

*1:http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2007/02/32_1f90.html

*2:http://blog.livedoor.jp/ishigaki_happohiken/archives/50609682.html