Under the hazymoon

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やっぱり熊だった

 今日の講習会では、双換掌の撞掌と、熊形掌の二つめ游身掌を習いました。八卦掌では、まず一つの型を学び、その後その一部を取り出して練習することで技撃を身につけるのだそうです。双換掌から撞掌を取り出して練習するのがまさにそうで、そうすることで変化が無限となり八卦掌の風格を形成するのだとの由。
 

 こうした掌法の練習において、特に気をつけなければいけない問題が、「動則易散、静則易昏」(動くと散じやすいし、とどまると迷いやすい)ということだそうです。そこで、「動中有静」、動作がすべて一体となって動くこと、それから、「静中有動」、定架の一つ一つに次の動作を内含すること、が大切なのだそうです。なるほどー。
 また練習において、軽重・快慢・剛柔・上下・断連などをはっきりとさせて行うことも風格を形成する要素になるとの由。単に軽快見目よければいいというものではないそうです。ここでいう風格って、どう考えればいいんでしょうか。個性とか性質とかでいいのかしらん。
 後半は熊形掌の学習に入ったのですが、この掌法は特に腰の鍛錬に効果があるのだそうです。まず最初に翻身掌のおさらいをやり、奥の足が見えるまでねじりました。ひえーきつーい。それから熊形掌の二つめ、游身掌を習ったのですが、何だか魔封波みたいな動作でした。ぐりんぐりん両腕回すし。で、最初よく分からなくて回してたら、遠藤老師が回転逆ですよ、と教えてくださって、その通りにしたら、あ、回しやすい!掌法の動作は身体運用の理にかなっている、というのをまた一つ体感した次第です。
 この熊形掌は八卦掌で非常に重要な掌法なのだそうです。どういうことかというと、龍形走圏を基本とした母掌が単換掌だとすれば、熊形走圏を基本とした母掌が翻身掌なのだそうです。もっとも難しい技術が走圏ですから、その直近の変化である単換掌と翻身掌は走圏の次に難しいわざということになるわけです。
 しかしこの翻身掌、動作的にはホントに死霊ならぬ熊の盆踊りといった感じで、ぴんと来ません。いや腰きついけど。でも、龍形では蛇を、熊形では熊を意識して行うんですよ、と見せてくださった李老師の翻身掌はまさしく熊が暴れ倒しているかのごとくでした。熊は四、五頭の狼相手でも意に介せず爪を一閃させて頭を叩き潰します。見たことあると思いますが、と李老師。。。見たことありません。確かにそんなん見たら神の勉強になりそうです。