Under the hazymoon

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単換掌は野生のしるし

 先週からいよいよ2週目に突入し、また改めて単換掌を教えていただいてます。2週目のテーマは定架から活架へ。1週目で覚えた(はずの)個々の所作について、より深く学び直しています。先週と今週は扣擺歩の単式練習を教わりました。リアルファイトでなければそんなに力強くしなくてもいいですよ、とのお言葉はいただいたものの、健康志向とはいえ僕は重量があるので足腰を多少は鍛えないと踏ん張りがきかず、もちっとがんばった方がいいかもしれません。
 

 もう一つ非常に興味深かったのは、単換掌の最初の2動作について、何故正拳突きなどではなくおよそ攻撃には使えなそうなその動作から初めて習うのか、ということに関する遠藤老師のお言葉でした。ようすれば、それは走圏における基礎的な思想と同じで、人間に潜在的な自然の力(先天の力)としての動物的なものを踏まえての動作なのだ、ということでした。動物が外的に相対したとき、いきなり相手に正拳突きや回し蹴りを咬ましたりはしない。まずぱっと避けつつ身構え、それから全身でとびかかる、その動作に由来しているとの由。うーむ、なるほど。襲われた動物とかをきちんと観察したことないので、何ともいえませんが、道ばたでばったり猫に出くわすと、地面をかんでぱっと身構えますもんね。そうしたとっさに出る自然な動作を再記憶する、という発想はよくよく道家的発想で、非常に得心がいきます。老師がその話をされたとき、みんな思わず吹き出してましたが、意外に深い思想をはらんでいるのです。いや、僕も思わず笑ってしまいましたけど。