Under the hazymoon

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董海川から馬貴への親授

 馬貴は世代で言えば第三代に位置するわけですが、董海川より親授を受けたのであれば、一段階上がって第二世代ということなり、正統性は高まるという事情を踏まえると、研究者として気になるのは、やっぱり傍証としてなるたけ同時代の第三者の史料がないかしら、ということだったりするわけです。
 

 しかし僕の見た『曹氏八卦掌譜』には馬貴の伝記が欠けていました。ううう、完本を見たい。んで、『国術名人録』はというと、「曾拝老武師董海川學藝」との記述はあるものの、続けて程廷華に師事したと述べていて、えー尹福じゃないの?とちょっと謎な史料だったり。馬貴派に伝わる史料が詳細なのは当然として、もっと他にないものか、というのが悩みの種なのです。
 そしたら、香港傅式八卦掌学会*1というところで公開されている文章の中に馬貴について述べたものがあって、それによれば、呉図南『国術概論』(1937年)に「馬貴除師承外、兼得海川指示、故於八卦拳術頗多獨特之妙」などの記述がある由。こ、これは原典を見なければ、ということで探してみると、リプリント版が早稲田大学にあるようです。来週にでも見に行ってきます。
 

*1:http://kennethh.k.tripod.com/
この学会では他にもいろいろ資料を公開されていて参考になるものが多そうです。折を見て読んでいこうっと。