Under the hazymoon

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バシバシやろうぜ!

 88式を中文読みすると「バシバシ」と聞こえて、誰を叩くのか?と思われた人が少なからず?いるようです。グッド空耳ですね。キャッチコピーによさそうです。ということで、4日目の今日は、ちょっと構成が違いました。最初講習会が始まる前に各自熊形走圏を少ししたものの、講習会は、まず88式を多めに、それから熊形走圏、まっすぐ走圏、探掌3種、探掌の母掌、蓋掌、反背錘を習いました。
 

 どうして88式から始められたのか、それには理由があるのです。李先生のお話では武術の練習には二つの方法があるとのこと。

  1. 気血→運動
  2. 運動→気血

通常、走圏を行うにあたって、準備運動のようなものを李先生は要求されません。それは八卦掌が1.の方法、まず気血を十分に集めてからその気血によって身体を動かすという方法をとるからなのです。気血の動きによる運動がよりよい運動である、という考え方です。しかし一般の運動は、2.のようなまず身体を動かしてそのことによって気血を導くものとの由。この方法は、気血が多い年が若い間は有効ですが、年を取るにしたがい気血の総量が減るので、かえって身体を壊しかねないのだとか。
 では、常に八卦掌の練功では走圏から始めるのか、というと、実は2.の方法もあるんだそうです。というのも、人間いつも調子がよいわけではなく、心や体が落ち着かないままで練功を始めることもあるでしょう。調子が悪いとは、身体の中に「濁気」がたまっている状態を意味し、その場合には、例えば走圏をちょっとして気の集まりが悪い*1ようならすぐに単換掌の動作にうつってしばらくこれを行い、「濁気」を追い出して調子が出てきたら走圏に立ち戻るというやり方があるとの由。つまり気血の充足とはよい気がたまるということで、それは「清気」「正気」「和気」「中気」だそうです。具体的には、練習をした後に、のびのびと開放的な感じがすればそれは「清気」が満ちている証し、昨日よりも若返った感じがすれば「正気」が満ちている証し、だそうです。「和気」「中気」についてはそのうちまた話しましょうとのことでした。たぶん中和の気の類なので、ちと高級な感じなのだと見受けました。それにしてもやはり気をめぐる語りでも、実に現象に即していてすばらしいです。
 そして、88式はまさにそうした場合に行うのによいものなんだとか。というのも、88式は通しで行って4分、左右対称で×2で1セット8分で行えるので、調子の悪いときに先に行うのによいんだそうです。
 ところで今日は昨日の動作に蟹形撞掌が加わってだいたい40だそうです。残り半分を少しばかり見せていただきましたが、けっこう複雑でした。ひい。簡単だよと李先生は言われてましたが。。。まあまだ6回ある!がんばんべえ。
 また88式の特徴を改めて強調されました。それは、

  1. 規矩:前後左右上下に動きが明確であり、動作の個々の意味がはっきりしていること。
  2. 全転:手にしろ腰にしろ、中途半端な回転でなく、180度もしくは360度しっかり回ること。
  3. 対称:まず一通り行ったら、左右を逆にもう一度行い、必ず左右が対称になること。

ということで、これらにより身体の隅々までのすべての筋をのばすことができて、身体の弱いところを明らかにしてそこを強くし、身体全体の筋骨を変化させることができるんだそうです。あと当然ですが、走圏ほどではなくても、含胸と吸胯はきちんとね、との由。実際、大起式をそうして行うと丹田に充実感が出てきます。おお。でも動き出して動作を追い始めると。。。あう。
 探掌、蓋掌、反背錘は腰で打つというのを練習するため、まさにブートキャンプ状態で打ってました。蓋掌は「如石撃水」のように、反背錘は流星錘のように打つようにとの由。肩に力入ったり、足が音を立てたりしてはだめとのことなんですが、これは足の運びや姿勢をしっかりさせていくことでしか実現できないわけで、これはしんどい。そうそう、個人的に、手がきちんと牛舌掌になってないところも注意されました。実際に打つときに手を痛めるということもあるんでしょうが、筋がきちんとのびないということが更に問題ということなのかなと。
 

*1:これをどう解釈しますかね。。。