Under the hazymoon

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龍形掌は魂で構えろ

 5日目です。今日はまず歩き方の確認をまっすぐ走圏で行い、その後、熊形走圏、龍形走圏、単換掌、探掌2種、探掌の母掌、そしてやや長めに88式を習いました。88式は50越え!
 

 今日は全体的に復習の日で、動作自体には新しいものはありませんでしたが、走圏や掌法をさらに一歩深く教えていただいた感じです。足でふんばる重要性とか、馬歩が訓練であると同時に実戦的な技術であるとか。実戦への応用みたいな話が比較的これまでよりも多かったので、単換掌がいかに重要か、走圏が確かに力の源であるというのは、初心者にも見てとれたのではないかと思います。また探掌の際に、後の手の位置を走圏と同じに保つ意味について教えていただきました。先の手がつかみ、後の手がすぐに打ち、打った先の手がまたつかみ。。。という一連の動作を、しかし気にしだすと腰がおろそかになってしまいます。そうだよね、やっぱり単換掌で動作の基本を身体で覚え、走圏で動作を実現する身体を作らないと、どうにもならんよね、と納得した次第です。
 
 88式は格子状に隊列を組んで行うので、自分の動作が間違ってないかを周りの人の動きでチェックでき、基本の移動は左右だけなので、覚えるのは簡単なのだとか。うーん。。。簡単?走圏に比べれば、ですよね。エベレスト登ってるんだから、富士山くらいなんてことないだろう的簡単、ですよね。うひー。今日の新しい動作は手が蛇のようにするすると穿掌を打ち続けるというおもしろい動作でした。左に三連弾、右に五連弾、という数の非対称は何か特別な意味あるんでしょうか。審美的にはおもしろい、と思いますが。たぶんまたいろいろ含意があって、それはそのうち教えていただけるでしょう。一端として先生が講習会の後に少しだけ言われたのが、するする打つのは蛇の動きなのだそうです。李先生がすると確かに手が生きているかのよう。僕はさしづめ焼肉をひっくり返してる程度でした。
 
 実は講習会の前に取材があって、通訳のお手伝いをしていました。いろいろ興味深いことを伺った訳ですが、いずれ公刊されると思うので、それまで首をながくして。。。馬貴派的には背筋をのばしてですかね、お待ちください。基礎的な概念から練功体系、そして発勁とか武器とか、もりだくさんでした。取材後、単換掌の型で馬歩のところから下の手を傍目にはそっと僕の胸におかれたんですが、手が触れたところに、くんと落ちるような感覚が!マジ発勁されたらこりゃ生命ないというのは本当だなと実感しました。痛みなどまるでなく感覚だけが残ったのが何よりおそろしかったです。どんだけ〜。そんなことがありつつも、最後はやっぱり、李先生からあせらずきちんと走圏をするんだよ、といつものように諭されました。分かっておりまーす(^^ゞ 

はじめてのそうけん その3

 今日は龍形走圏の手腕のありようについて、特に教えていただきました。曰く、

前後両掌合抱力、護住両手一団神。(前後に構えた両の掌は一抱えの力、我が身を守る両の手はひとまとまりの魂。)

これは、後の手の肘が心臓を守り、手は前の手の肘の下におかれるという構えにおける心構えについて説いたもので、用法の基礎としてどのように実践されるかも示していただきました。意識が手にあってはいけない、手の向こうにいる相手を見据え、精神(あえて魂と読もう。えー。)を身体において、他においたりせず、その魂で守るのである、ということでした。走圏においてもそのようにしないといけないのでしょう。といっても精神論でまったくなく、ようするに身体ごと全部が動くのだ、という基本概念の延長にある話だと思いました。