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八卦掌と梅花拳は兄弟か?

玉昆子編著『道家内丹修煉秘笈』(華夏出版社、2007年)は全真教龍門派の道士である著者による武術と内丹と養生を論じたもので、そのうち武術については、梅花樁拳という龍門派に代々伝わっている武術の十八代継承者として、基本的な練功法を写真付きで紹介してくれています。

少林寺の梅花拳から龍門派に流れたのでは、とネットに書いてあったのですが、それよりも気になるのが八卦掌との関係です。というのも、梅花樁拳の鼻祖は「雲盤老祖」という謎の人物だとされているのですが(ちなみに丘処機も祖師の一人)、董海川が九華山で教えを受けた道士の名前も一説には「雲盤老祖」と言われているんですね。そして、同書には「雲盤老祖伝授練功歌訣」が収録されているんですが、これがほとんど八卦掌の三十六歌訣なんですね。
著者は全くこの点に触れておらず、また著者自身の武術歴は自序によるかぎり、少林拳形意拳・太極拳・梅花樁の四つを研鑽したとのことで、八卦掌が落ちてるんですね。そのへん気になります。
しかし十八代というのが本当であれば、断然八卦掌よりも歴史が古いわけで、そうなると、梅花樁の歴史が文献的に少なくとも清朝まで遡れ、そこに雲盤老祖と歌訣を見いだすことができるのならば、董海川が学んだのはこの系統ということになるでしょう。とはいえ写真見る限りは何か動作違うっぽいんですよね。このへんは初心者の僕にはよく分かりません。
もちろん逆の可能性もあります。龍門派の梅花樁が民国期以降に創造された伝統であったなら、董海川が先行しているのかもしれません。しかしいずれにしても同じ口訣と祖師を伝承として持っているというのは何の関係もなかったはずはないわけで、今後もう少し調べてみないといけません。