Under the hazymoon

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発勁はコンテンポラリーダンスだった

だいぶ前に勅使川原三郎さんの特別講義で「通常足の裏にある重心を訓練によって手の指先に移すことで新たな動作を獲得する」といったような話を聞いたとき、僕が習ってる伝統武術では重心は常に丹田だよなあ、それを自然なものとして動かさないのが伝統的な身体観で、現代的な身体技法はそれに対して身体の可能性を自然という設定を超えて推し進めることにあるのかな、とそのときは思っていました。

でも、id:bonnou109さんのブログ*1を読んで、それは僕の理解が足りてなかったのだということが分かりました。というのも、内家拳合気道に関して、

内家拳歴の長い友人は、体中のどこででも発勁するのだといっていた。
そのときは肩胛骨でやってみせてくれた。ほえーっ!

合気道の師範は、どこででも腰からつながる体重が載るんだよと教えてくださっ
た。体のどの部位でも、どの指でも、どの高さでも載せられる。

のだそうです。発勁も腰(丹田)の力が肝心だという理解に立てば、ここで行われている二つの武術的動作は同じ構造を持っているように思えます。そのように考えるとき、最初のコンテンポラリーダンスで行われている操作もまた同じ構造を共有しているのではないか、基盤となる身体操作の構造は実は同じで、意識や視点の違いによってアウトプットが異なってくるのではないでしょうか。
うーん、やはり僕自身がもっと練度をあげて、そこそこのレベルの身体内感と身体操作を身につけないと、このあたりの議論をうまく接続できないのかなあ。達人にならなくてもいいとは思うんですよね。行っちゃって戻って来れなくなるつもりはない。僕自身は議論の道筋をつけれる理論的な知識と言葉を学んでこっちにつながっておきたいわけです。そのへんのバランスが難しいところです。悩んでます。

*1:http://d.hatena.ne.jp/bonnou109/20081114/1226629794