Under the hazymoon

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秘伝にはさらに奥がある

夏目さんのおともで李先生のお宅にお邪魔し、おいしい水餃子をいただきながら、貴重なビデオを見せていただきました。昨春に北京に伺ったときに見せていただいたものにさらにいくつか加わって、それはもうたっぷりと。
ちらっとですが、韋駄献杵を李先生が于先生から習われているところ、そして、その先の動作を習われているところも見せていただきました。韋駄献杵ができるようになったら、これをするんだとか。ま、まだその先があるんすね!奥が深すぎる。

李先生がすごい人だなあと思うのは、そうした秘伝の類をさっくり見せてくれるし、教えてくれるんですよね。だいたい教えてくれないときは、まだじゅうぶんにそれを学べる身体ができあがってないから、教えても身につかないと判断されているからで、別にことさらに秘密にされてるわけじゃないんですよね。僕なんか通訳の関係でそういう練功法の指導に立ち会ったりすることありますが、おまえはまだしない方がいい、とか言わてれるだけですもん。でも間違いなくそのうち教えてくれるだろうという信頼があるので、信には信で答えるべく今は素直に走圏と易筋をするだけです。いやー実際、見た目の動作は簡単なので、ちょっと自分でも動いてみたけど、全然できないのがよく分かるんで、こりゃやめとこ、と思った次第で(^_^;)

次の予定があって夏目さんが帰られた後に、ウェブサイトの更新などで打合せをしていたら、「練習する時間あるよね?」「えっと1時間ぐらいなら」「え?予定あるのか」「すいません(先生も明日岡山に発たれるんじゃ?)」「よし東京で八卦掌の練習にいちばんいいところに連れて行ってやる」ということで小一時間ほど対練について追加説明をしていただきました。。。身体に説明されるとは思ってなかった(;_;)
龍形走圏、単換掌、穿掌、迎面吸化掌、帯手、圧掌(これはさすがにダメだなーと言われながら、でも続いた。。。)、手をつかむやつと休みを少しはさんだだけで、ずーっとやってました。
で、説明が不足していたところというんのは「筋出力尽」というけどそれがすべてではないというところでした。確かに講習会のときは全力でやらんかーい、というところで終わっていましたので。実際は、ひたすら「剛」をと力を出すだけではダメ、もちろんひたすら「柔」をと「放鬆」を求めてもダメ、どっちがよいと言ってはいけない、どっちがダメと言ってもいけない、すべては陰陽の転換なのだとのこと。
禅問答のようですし、おそらく無為自然と近い概念なのだろうとは思いますが、僕もこうだとはっきり言えません。ま、そういうものだとあれこれ考えるのは今はやめておこう。というより、考える余裕なかったです。。。痛くて。
武術脳がない僕には相当見落としがあると思いますが、以下指導していただいたことをいくつか。

  • 負けてもいいから中正を保て。
    • 押し負けたり、引っ張り負けたりしたときに、負けまいとして中正が崩れる、これがよくない。悪い癖がつくぞ。
  • 上体がぶれすぎる。
    • 夏目さんにも言われたところです。足と腰が弱いし、上と下がつながってない、ってことかあ。走圏あるのみ。
    • これはおまえのおおきな問題だから、今後の講習会で直していくとの由。あざーす。
  • いかに引っ張るか、いかに突くかよりも、相手に対して中正になるよう身体の位置をとれ。
  • 力にぶれがあってはいかん。常に同じ力で動け。
  • 自分の手を見るな、相手を見て、神でつかめ。
  • 腕の力でつかむな。
    • ぎりぎりつかまれながら、二の腕を触らせてもらったら、表面はやわらかくて奥に筋が通るんですよね。別に筋肉がないのではなく、腕に力を入れてもらったら普通に二の腕がかたくなった。
  • 変化は考えてするんじゃない。自分の心地よい状態を探して自然に変化するんだ。
    • 常に中正を維持することが変化につながるってことかと。

変化なんてまだ僕には難しすぎます、と言ったら、いや現時点の対練ではそういう練習はしなくていい、自分の見ているところで、もっと簡単なものを確実に行うので十分だ、今日は将来はこういうところまで行くというのを体験してもらっただけだから、とのお答えが。確かにできなくても、どういうものか見知ってないと通訳に支障があるし、経験者講習のときに感じた自分の問題点がより大きく感じれてよかったです。