Under the hazymoon

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音と速さに注意

李先生のお手本をまねて練習するとき、間違いやすいポイントがいくつかあります。

まず足音。扣擺歩をはっきり示すためにあえて大きく音を立てられているのですが、その動作そのままに大きく音を立てて踏んじゃう人がいます。これは間違い。あくまで走圏のときと同じように足は動かすのです。

それから速さ。李先生と同じスピードでやろうとすると、動作が荒くなります。定架で練習というのは、動作一つ一つを明確にはっきり区切って行うこと。これが第一段階。まあ実際、走圏の要求を守りながらやるとそんなに速くは動けないものです。
もちろんじゃあひたすらゆっくりやればよいかというと、これはこれで程度問題。後四掌のような身法の動きはあんまりゆっくりだと歩法の動きになってしまうわけです。それはそれで正しいのですが、しかしそれだと後四掌の練習になりません。動きを自然につなぐ、というのが第二段階ということになるでしょうか。

また李先生が身法で動いているときは、歩法や手法は必ずしも理念型を取っていない場合があります。歩法の音と同じで、ある部分を強調するために全体としては崩した動作をされることがあるわけです。そこを脳内変換して理念型に修正しつつ、僕たちは練習しないといけないというわけです。もちろん理念型の設定に他から材料を持ってきたりするのはNGです。どれだけ李先生の動きを見たかとか、たんにアウトプットされている動作よりもその動作を生み出している走圏の要求に注目するとか、あくまで目の前の李先生から理念型を導き出さねばなりません。こればっかりはちょっと見たり習ったりしただけではできないですし、自分が練習を重ねていくとまた違う視線で見直したりすることになるので、終わりなき学びの日々って感じです。それがまた楽しいわけですが。