「正」と「順」
現代語に訳すのが難しい「正」と「順」ですが、やはり漢字本来の意味から解きほぐすのがよいでしょう。漢字のまま多義性を受けとめた方が、実践上は有効だと思うけど、参考まで、漢文読解の新定番『全訳漢辞海』によれば、以下の通り。
「正」とは、常に偏らずまっすぐにただしくあること。
『説文』ただしい。「止(=とどまる)」から構成され、「一(=一つのところ)」を止まる対象とする。
「順」とは、自然に滞りなくしたがっていくこと。
『説文』(髪を)ととのえる。
『釈名』「順」は「循」である。道理に循(したが)うのである。
段注には「川の流るるは順の至りなり。」とあるそうです。
同じ言葉でも文脈によって訳し変えたりしてますので、多義性はある程度不可避的に捨象されざるをえないのが現状です。あしからず。
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