Under the hazymoon

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馬貴派八卦掌と秋の空

五行配当的な解釈に科学的な根拠はないと思うのですが、それでも秋口の涼しい時期に呼吸を重視して精神に力点をおいた練習をするというのは理に適っているように思われます。
きちんと計画を立ててトレーニングすることを目指すとき、一般にはどんな練習を一日に何回行うとか、習いたてではこの練習、慣れてきたら別の練習といった、学校教育的なとでも言えばよいのか、時間経過に沿った定量的なプログラムを組むのではないでしょうか。
しかしそれはいけない、と李先生は語ります。四季の移り変わりやその日の天候など自身の生理に影響する自然環境的な要素や、精神的な疲労度など自身の心理に影響する内部環境的な要素によって、その日その日の練習を変えていくことが必要で、日々練習するのはそういう変化に対する感度を上げる修練でもあるのだそうです。
今回改めて強調された気の動きを優先する練習ですが、僕は最初これまでの練習法より一歩すすんだものかと思っていました。ところが、実はそうではない。本来は精神と肉体は一体となって動かなくてはいけない。しかし練習においては、理想的な型を身につけるために肉体の動きを優先する練習を行うし、動作の統一性を高めるために気の動きを優先する練習も行う。この両者はそれぞれを何度も繰り返し行うものなのだそうです。一方から他方へ不可逆的に移行するものではなく、ようすれば同じ練習でも力点が違う。ただ今現在秋のような気分がすがすがしくなる気候のときは、精神をすっきりさせることに重点をおいて練習した方がよいのだと。
正直、自分自身の動作はやっぱり型で動いてるように思えるのですが、なんとかその気になれるよう練習してみます。