Under the hazymoon

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最初から腰を回そう!

前の会のときからあった問題なんですが、走圏のとき、李先生が腰を回すように指導してるのに、日本人側で「あれは上級者向けの指導だから」とか理由をつけてねじりをゆるめる傾向がありました。最初のうちは納得して練習していました。しかし次第に僕はどうもそれが馴染めなくなり、会の練習ではお付き合いして、あまりねじらないようにしてたものの、個人練習では李先生の指導通りに腰を回して走圏していました。
よくよく考えてみれば、上述のような目の前の指導に従わない態度は、自分の先生が学生のレベルも分からず指導してると言ってるに等しいわけで、ずいぶん失礼な話です。
もちろんいちばん大切なのは鍛錬として効果があるかどうかです。その点では、腰を回さないで力を入れることに専心することは、腰を強くするのに十分効果があるでしょう。
しかし掌法との連続性を考えたとき、腰を回さない動作がない以上、走圏においても腰を回すことは必須でないと理屈があいません。両者は同じものであるというのが馬貴派の基本です。要求が異なることなど原則的にはあり得ない。
前々からこの問題は気にしていたのですが、李先生が明快な答えを出してくれました。曰く、腰を強くするには色々方法がある。力を入れるのもその一つだ。しかし初心者は腰をただ捻ることで腰を感じるところから始めた方がよい。何故なら、一般に腰は普段意識されず、痛めたときはじめてその存在を感じる。意識されていないので気血が普段から行き渡らない、だから腰は弱いままなのだ。意識すれば意識したところに自然と気血がめぐる。だからまず腰を感じるところから始めるのがよい。
なんと捻る方がむしろ初心者向けなのだということなんです。おそらく易筋経の理論にもとづいた説明でしょう。僕自身は非常に納得のいく整合的な説明だと思いました。ようすれば、腰を回すことなく力を入れて充実させるのが、中国武術初心者の僕にとっては難しかった、ということなのでしょう。だいたい僕の先輩方は武術経験があったので、僕の感じたような問題はすでに解決済みのため、そもそも意識されなかったのかもしれませんね。