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走圏は周天法の進化の一端

今日の李先生の講習会では、馬貴派における周天法の理解について基礎的な説明がありました。李先生の言われるように、仏教、道教、武術などで行われている周天法的修行の中で、走圏がもっともすぐれていると僕には結論できません。しかし、少なくとも気功的修行の進化の系譜をたどっていくと、武術系のブランチの中でもかなり進化の突端にある技法として走圏を位置づけることはできるでしょう。実際、民国初期の武術の発展状況を見ると、武術の修行と周天法(内丹)の修行は相互に補うべきものとして併修されていました*1。走圏はこの両者をいっそ一つの行法でやってしまおうというものです。つまり、従来別々のメソッドだったものを、共通点を見出すことで同じシステムに組み込み、さらに一つのメソッドとして洗練させたことになる。個人的にも走圏はかなり高度に洗練されていると思っているのですが、しかし他の修行法を検証してないので、客観性を担保した意見にはなりません。歴史的な事実をみるかぎり、だからそれまでの修行法よりもすぐれている、とはならなかったようです。というのも、ミームがブランチした程度にとどまって今に至ってますから。圧倒的にすぐれているなら、他の修行法を排除しえたでしょう。しかしそうならなかったし、個々人の体験に左右されてしまう内面的な部分に重きがおかれる修行法の構造上、原理的に他を圧倒するものが出てくるとしたら、それは技法上の優劣はあんまり関係ないのではないかと思うわけです。
研究者としては斯様に距離を置かねばならないのですが、実践者としては別にそれに打ち込んで何の問題があろうはずもなく、たいへん充実した練習になりました。
88式の八卦掌的方法の別バーションを今日は少し習いました。まず大起式について、これまでの方法が横を重視する帯脉法なのに対し、新たに周天法のごとく縦を重視した肝経法を学びました。さらにそれに合わせて各動作もけっこう変化しました。88式だけで、もう4,5バージョンは習ったことになります。わお。大切なのは動作そのものではなく、何を錬るためにどの動作を選ぶかとのことですが、かなり高度な要求です。先は長い。がんばるぞー。後は88式の単操として崩敲法(掌)と連環探穿掌を学びました。こちらもかなりハードでした。てゆうか、身体が上がっちゃうorz
とまれ新たなバージョンは肝臓を整えるので怒りが押さえられないようなときに効くそうなので、個人的にたいへんありがたいです(^_^;) そもそもそんな練習する必要ない環境が望ましいのですが。。。

*1:「民国初期の武術と内丹─呼吸法の近代化をめぐって─」という論文で論じてます。
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