腰を反る伝統:ヨガの場合
全然体系的に調べれてないのがダメすぎるが、ともかくある程度アタリがつかないことには、とヨガ関係のものも、若干手を出しています。佐保田鶴治は岡田式と縁がありますが、沖正弘はそのへんどうなんでしょう。とりあえず写真が多いということで、沖ヨガの元のアイアンガーの本を一応入手。
ヨガ呼吸・瞑想百科―200の写真で見るプラーナーヤーマの極意
- 作者: B.K.S.アイアンガー,B.K.S. Iyengar,沖正弘
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 2012/04
- メディア: 単行本
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で、とりあえず写真だけぱらぱら見ていったのですが、
ばっちり腰反ってる!(p.109)
理論的背景については、文章を引用するより次の図を参照した方がはやいかも。
見事に臀部を出して腰を入れてます(p.106)。これは岡田式静坐法と同じ?かもしれません。
ただしそれは身体の後面の話で、前面は違います。ヨガの方は胸があがってますが、岡田式では下げますので。そうなると、
技法名 | 胸 | 腰 |
沖ヨガ | 上 | 入 |
岡田式 | 下 | 入 |
内家拳 | 下 | 出 |
と一応分類できることになるでしょうか。
興味深いのは身体の中心の位置が、沖ヨガと岡田式・内家拳で違うことです。後者は丹田、臍か少し下ですが、前者はもっと高い位置、臍より上、横隔膜のあたりに設定していることでしょうか。身体技法と連動しているといってよいでしょう。
さて、丹田の位置を臍下三寸(二寸)というときに、臍から身体の奥に進むように設定すれば腰の張りが重要になります。これはたぶん内丹法でも同じ。下というのは中という意味ですから。しかし、岡田式の場合、もっといえば日本の丹田理解は、体表に沿って臍から下にさげて経穴のように考える傾向が強いようです。この解釈に立てば腰を反らすことには理論的整合性があるかもしれません。
ちなみに以前李先生が外家拳と内家拳では丹田の位置が違うという話をされたことがあって、内家拳が下腹部に丹田を設定するのに対し、外家拳は上腹部に設定するそうなのです。上腹部とは横隔膜のあたり、そして外家拳の代表は少林拳、達磨がインドから中国に輸入したとされる武術です。実際のところはともかく、ヨガと少林拳で身体感覚は共有される、ということなんでしょうか。ロマンはあるけど実証は。。。
ところでアイアンガー師、なかなかよい肉付きです。ヨガ=スリムというイメージを是非打破していただきたい、中国武術や気功の普及のために。違うか(^_^;)