Under the hazymoon

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はやく動けば肺が、ゆっくり動けば腎臓が鍛えられる

李先生が言われるには、単換掌の練習において大切なのは、素早く動こうとか力強く動こうとするのはよくないとのことです。そうした実戦性を求める練習は別に用意がある。単換掌は土台作りのための練習なので、ゆっくりと個々の動作を明確に行う必要があると。

なぜなら素早く動こうとして動作がいい加減になると、姿勢が崩れてしまう。姿勢が崩れると、気血の流れが悪くなる。気血の流れが悪くなれば、身体を強くすることができなくなる。結果、練習すればするほど技術的な向上が見られても身体を弱くしてしまうわけです。力強く動こうとした場合も、筋肉を使って筋が伸ばされなくなって、気血の流れが阻害され、以下、同様の問題が出てきます。

内蔵を強くするという視点からも、素早く力強く動くことには問題があります。そうした激しい動きによって呼吸も激しくなり、胸を使っていくと、気血が身体の上部に偏ります。それで肺は鍛えられることになりますが、しかし人間の力の源になるのは腎臓です。胸をゆるめ気血を下に降ろし、腰を張り常に回転させ続けることで、腎臓に気血がめぐり、腎臓が強くなることで、全身の気血のめぐりが促進されるようになるということなのだそうです。
また胸をゆるめることは胃をゆるめることになるので、食事、つまり外部からの気血の摂取を促進させてくれるのだとか。
動作を正しく覚えるためにゆっくり動くのではない、というわけです。