Under the hazymoon

http://researchmap.jp/nomurahideto/

はてなグループを利用した引用文献データベースの可能性

 CiNii*1のようなサービスも、昔の国立情報学研究所だったら、研究機関に所属の人間しか使わせないというふざけた利用規程だったでしょうが、現在は一個人でも利用登録できる外に開かれたシステムになっています。残る問題はその拡張に中国学業界の方でどれだけ協力するか、なわけですが、大学を離れると日本語で書かれた論文の入手がもっとも難しいという、自らの手足を縛っているような中国学の世界にCiNiiの真の恩恵が来るのはまだ遠そうです。
 

 で、えらい人じゃないとできないことについては、文句だけはきちんと(でもこっそりと*2)言い、同時に自分の手の届く範囲でできることは何だろうと考えていくと、まあ既存のシステムで使えそうなものをうまく利用して、文献目録を公開していくことになるでしょうか。個人で必要な範囲なら論文を読むという手作業は不可避的に入る以上、大量にどかっと処理することはひとまずおき、メモのつもりでこつこつ増やしていけばいいですし、範囲外の文献については自分の分を公開することで他の人に託すということでいいんでないかと。
 そう考えると、はてなグループのシステムを流用するのがなかなか行けるんじゃないかと思うわけです。引用文献名の後ろに論文エントリのidを書いておけば*3、自動でトラックバックされて被引用リストが作成されますし、INBUDSに準拠してキーワードを収録した上で、はてなキーワードあるいはグループ内のキーワードとして簡単な解説をつけたり、論文に対する私見はコメント欄に書き込んでおいたり、とかなりのことはできそうです。はてなのいいところは外部とのリンク能力が高いので、同じようなことやあるいは研究についてはてなで書いている人がいれば、そこともかなり自動的にリンクされますし、日本語に限っていえば、自前でWikiを動かすよりそれなりにネットワークと親和性と思います。で、もっぱら問題は日本語で書かれた研究情報の共有にあるのでこれはなかなかベターな解ではないかと。とはいえ、MediaWiki*4を使うのも捨てがたくはありますが。
 日記形式の表示をCSSで加工して見栄えをよくするとか、検討事項をいくつか解決できるようなら、職場で作成中の文献目録をこの方式で公開してみようかと思案しています。本当は個人ベースで、でも単独でなく共同でやった方が実験としてもおもしろいと思いますけど。理想とするイメージは個人研究者や小規模学会・研究会の情報発信をゆるやかなネットワークにするためのモデルケースだったり。

*1:http://ci.nii.ac.jp/cinii/servlet/CiNiiTop#

*2:こうしてブログで公開してますが。

*3:[http://hatenadiary.g.hatena.ne.jp/keyword/%e3%81%af%e3%81%a6%e3%81%aa%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%97%e3%81%ab%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e3%81%99%e3%82%8b%ef%bc%88group%e8%a8%98%e6%b3%95%ef%bc%89:title=はてなグループにリンクする(group記法)]参照。

*4:http://bukkyojyoho.blogspot.com/