Under the hazymoon

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上鬆下緊の前にすべきこと

腰を回すこと*1と並んで、僕が問題に感じていたのが上鬆下緊の理解でした。どうも前の会の初期においては、「うつ病の熊」(夏目さん談)のように上半身の力を完全に抜いた上で、徐々に起こすようにして姿勢をつくる練習をしていたようなんです。ようなんです、というのは僕が学ぶようになってから、そのような指導を李先生からは受けなかったので、実際のところ、李先生の指導の変化か、教わる側の解釈の問題かは判断がつきかねるんですね。
ただブログでも何度か書いたように思いますが、僕が見ていたかぎりでは、ほとんどの経験者が走圏を始めるにあたって、李先生がやっているような起式をきちんと行っていませんでした。個人的に質問すると、どうも非常に重要らしい。しかしどうして特に指導しないのか、隠すならそもそも目の前でやってみせるはずもないので、不思議だなと思っていたんですが、その後講習会で普通に説明されるようになりました。結局、わざわざ説明するほどもないくらい当たり前の基礎を、僕たちができていない、ということだったのでしょう。理解が大切というよい例でないかと思います。
さて、その起式をしっかりやる意味は何かといえば、それは上鬆下緊の下準備ということになるでしょうか。まず頭を上に引き上げてから、そのテンションを頸、背中、腰へと上から順序立てて下に降ろしていく。つまりいったん上を緊張させることで、上鬆と下緊を同時に実現させる力の方向が下に向くようになるというわけです。これは上を最初からゆるめた後で下から芯を通していくよりも方向性が自然ではないかと思います。姿勢を正すというのは、初期状態で散らばっている力を顕在化させることが暗黙の前提としてあって、そこではじめて自分の力に気づき、気づいたことで力が自然に落ちて集まるようになる、ということではないでしょうか。

*1:http://d.hatena.ne.jp/nomurahideto/20101127/p1