Under the hazymoon

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踵息と胎息

先週の土日の講習会では、馬貴派における踵息と胎息の理解について教えていただきました。どちらも呼吸法ではあるのですが、現実に空気は肺に入るだけですから、足の裏はもちのろん、下腹部までだって息が届くことはありません。いやいや横隔膜をだね、とか、気と空気は違うんだぞ、とか神秘的な方に舵を切って理解するのも一興かもしれません。しかし、実際のところはどうするのか、となると、呼吸の長さや量を調節したりイメージで何とかしたり*1といったところに落ち着いたりするのではないでしょうか。
馬貴派の思想がおもしろいところは、目に見えるところから判断できるメソッドになっている点です。ようすれば、踵で息をするとは、呼吸する時に胸が動いているだけではなくて、足の裏までが連動して動くほど全身を使って呼吸することであり、丹田呼吸とは、同様に下腹部まで連動させて呼吸することなんですね。深く安定した息をするということは、そのような姿勢をとって一呼吸にも全身が反応する状態にするのだと。赤ちゃんの呼吸は、まさしくそのように全身を使って息をしているわけですね。

*1:解剖学的な知識で横隔膜を感じることは、目に見えないものを感じるという点で、存思法と本質的な違いがあるのか、悩みます。