Under the hazymoon

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漢学研究の心意気

今日は今日とて日本聞一多学会の大会があって、朝から下っぱ53号として働いてました。気の回らない人間の割に事務仕事したりするのが好きなのは、実践の問題に目が向くのと関係あるのかな、でもフィールドワーカーが事務が好きってわけでもないかと、とかなんとか思いつつ、下手な司会をしながら発表を聞いてました。

近代ネタが二つあったので、内容自体も自分の最近の興味とおおいに関係あったのですが、昨日の引きからかきになったのは、研究者の倫理というかそういう問題。漢学/中国哲学研究における研究成果の社会への還元の位置づけって、ある面では、ようは社会的には低いオーダーにおかれているものに関わっている立場から、これも実は価値があるんですよと小さい声を取り上げるみたいなもんで。自虐に過ぎますかね。でもそうだと思うな。もちろん第一義的には、あなたのこと、好きだから〜みたいな趣味の問題、芸能としての漢学ってことになると思うわけですけど、アカデミズムの立場に立ったとき、やはり社会的な発言者としての立ち位置がある。そう考えたとき、自分の守備範囲のことについては小さな声を大切にするのに、その外に出たとたん、無神経に小さな声をべた塗りしていっていいの?と思ってしまいます。その顕著の例が官僚批判とか体制批判で、けっこう能天気にベタな批判される研究者、多いんですが、それいいの?と思うわけですね。自分の研究対象については、ラベリングを避けて人間一人一人にきちんと向き合っていかないといけないみたいな主張をするわけです。今はネットの世界で現代社会のそうした小さな声をいくらでもひろえるのにな、と思っちゃいます。