Under the hazymoon

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翻身掌の秘密

2008年夏の講習会7日目は2年以上学習者向け八卦掌パート3でした。今日は内輪学会があったけど、こちらを優先。通訳や練習もまた僕にとっては重要なフィールドワークなので、これは仕方ないです。

今日は三分の二を前四掌の練習、三分の一を揺身掌と磨身掌の練習に費やしました。前四掌に関しては、今回さらに追加されたものとして(といっても前から教わってることですが)、両手を一つのように動かすことが加わりました。これは要領というより原理的なもので、どんな状況でもそう動かないといかんとの由。まず身体の中正を保ち、次にそれに連動して歩法が自動的に決定される。それに比べて手の要求自体のオーダーは低く、手は足といっしょに動かなくてはいけないものの、その位置が多少ずれていてもそれは変化の範囲とされます。しかしその手の動きはどうあれ右と左別々ではいかんというわけです。これ忘れないように練習しないといけませんね。。。
さて、後四掌(と順勢掌の最後に方向転換のため行う翻身掌)は身法を練るものですが、これは歩法の練習よりも難しいとされます。というのも後四掌は動作の内容自体は前四掌の組み合わせなんだそうです。たとえば磨身掌は双換掌+順勢掌というように。しかし大きな違いとして、足の動きよりもさらに大きく身体が回ることになります。これが身法を練るという所以。なので方向を迷いやすいため、最初は円周上で練習するようにとのことでした。
揺身掌にしろ、磨身掌にしろ、その核となる揺身や磨身の動作は一見あまり実戦的に見えません。しかし、この身体の回転は非常に実戦的で、揺身にしろ磨身にしろ、今までそれと知らないで見ていたんですよ、と李先生は対錬での変化としてそれらを見せてくださいました。また揺身掌は肘打の力の源になるうとのことで、こちらもいろいろ見せていただきました。今後対錬の時間を増やしてそこで教えていくとの由。しかし走圏で腰を鍛えないと練習になりそうにないなあ。
また、実戦のときには掌法のような動作はしてないのは、先人たちが身体の筋を開く練習になるように手の位置などを決めたので、そう意識して練習するようにということでした。
ところで、「揺身をさらにコンパクトにしたのが磨身という位置づけなのか」を李先生に伺ったところ、考え方は合ってましたが理解を間違ってました。身法という点で考えれば、より大きい角度を回っている方が動作として大きいわけです。そうなると動作の大きさとしては、回身>磨身>揺身となるそうです。うーん、回転ということをまだ体感で理解してないわけですね、僕。