Under the hazymoon

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漢々学々

知の系譜の周縁としての我楽多宗?

人文情報学に興味を持つのと、近代学術史(とりわけ専門の中国学関連)に興味を持つのとは、僕の中ではセットなのは、どちらも今ここの自分の属する知の体系を記述することにつながるからですが、しかし実際にとりかかってみると、支配的な人文学や科学の方…

ブランドとキャラ

ある文字や言葉についての用例を羅列することで、その意味を明らかにしようとしているという点では、紙の辞書もググることも同じなんですよという話をして、「定」義として情報の取捨選択が固定されているかどうかだけが違うんです、だから紙の辞書を引いて…

ニコ動、テレビ、マンガ、絵巻物

ニコニコ動画の構造的起源にふりがな文化をおいてみる、というもろさんの話*1を受けて、やまももさんが絵巻物に言及されてた*2のを読んで、夏目さんの絵巻物とマンガとの比較のおもしろい話*3を連想したのでした。 ニコ動の場合は、直接的には『電波少年』で…

ゼロ年代な「ホモ・エクササイズ―生き抜くことへの賛歌」

隣の職場で、「人間の定義を一新し、人間の可能性を拡張することを目指して、リハビリテーションおよび環境デザインの課題とその展開を促進するために制作」されたアート作品*1が公開されました。河本せんせい総決算のようなコンテンツの組み合わせにも関わ…

キャラクターにプロットは実装されるのか?

「キャラクター・身体・コミュニティ〜第2回人文情報学シンポジウム」*1が開催されるので、不義理をしといて申し訳ないけど、この内容で参加せねば後悔するなあと思って予定の調整をしようとしているところ、キャラクター論で気になるところを自分の準備とし…

装置としての天子

今日は春秋繁露研究会で、準備不足ながら担当として如天之為第八十を読みました。この篇の前後十七巻あたりの陰陽理論による天人相関説の解説は、自然観察の細分化によって儒学理論を精緻化してて非常におもしろいです。これをまったくもう何でもかんでも仁…

ネッシーとつちのこ

id:monodoiさんから教わった公開研究会「UMAのいる科学史」に参加してきました。 詳細は四谷会談で。

四千年前に通過した場所

近代中国における伝統の創造はベタかネタかと悩ましいわけですが、霊学研で読んだ資料で、『列子』に出てくる「化人」の故事を引いて自らもって自認し、催眠術こそが古代中国の精華、儒教も催眠術だったのだ、な、なんだってーとそんな人がいるのを知って、…

シンポジウム『論語』―江戸と『論語』―

二松学舎大学で開催されて『論語』シンポに行ってきました。今年で3年目?だったかな、去年は行けませんでしたが、今年はダブルブッキングなしで無事聴講。相変わらず、年齢層が高め、そして配付資料には社会人入試の資料が。そうだよなあ来場者の5分でも…

光明皇后は縦太横細

書の会に行ってきました。今日のお手本は「動きのある楷書」ということで、光明皇后の弔いのラブレターから。「之意宜以」が僕です。4字なら半切に収まるぞ。 書く線の再現ではなく、墨がのってない空白の再現で、図と地を逆転させるところが初心者から一歩…

共生思想とサブカルチャー(承前)

職場のニューズレターに以下の小文を書きました*1。 共生思想の周縁 共生やエコといった言葉は、すでに現代社会のあちこちで流通してしまっている。最初に主張した人はもちろんいるけれど、だけどそこからきちんとした学問体系が構築されてそれが、というよ…

「明月流素光」

今日は書の会でした。期せずして自主練の日となり、各自好きなのを書こうということで、なんとなく中林悟竹に挑戦しました。出来はともかく、初めて予定の文字を半切に書ききれましたとさ(;^_^A

科学の中の霊学

霊学関連資料を発掘したところ、まだとっかかりですが、別ブログ*1に経緯を書きました。 *1:http://fobo4.blogspot.com/2007/10/blog-post_26.html

胡適先生ギザカッコヨス

もろさんたちと史語所の文物陳列館の後に胡適紀念館にも寄ったんですが*1、やっぱ胡適先生かっこいい。 古典研究から詩の実作、そして政治の世界まで、まさに知識人/士大夫を生きた人であります。史語所の取り組みを見ていると、どこかしら現代の士大夫たら…

大胆な仮説、細心の証明

水曜日と土曜日しか空いてない中央研究院歴史語言研究所文物陳列館*1にもろさん、後藤さんと行ってきました。できたての頃に一回行ったきりなので、今回は二回目です。 市の中心部からは離れていますが、入場無料で近代的な中国学のはじまりに触れることがで…

パイナップル?いいえ金文です。

今日は書の会に参加2回目でした。ブートキャンプ後の参加のため、最初はよれよれでした(^_^;) 左から三番目のが僕です。大きくなってしまって、すんづまりに。空間芸術的テクニックとして、上を黒く下を白く(下に余白があったり、かすれた風に書いたり)と…

内丹ツンデレ派

べ、別に普通の男女の交わりなんかじゃないんだからねっ。 と書くと、どう読んでもエロ妄想なんだけど、実際そんな内容なんだから仕方ありません(^_^;) そう、陳攖寧の『黄庭経講義』の訳がようやく一区切りついたのでした*1。ちょっと論文にまとめておきた…

いないやつは死人も同然?

書の会、初参加。 白隠禅師のを臨書しました。右から2枚目。はじめて大きな紙に書きました。気持ちよかったー! ド下手ですが。 で、時間のほとんどは、一、二、三の練習をひたすらしてました。本当に何年ぶりだろう、筆を持つの。古典研究してて、全然素養…

信達雅が重要なのは、

たんなる妄想ですが、「信・達・雅」って「真・善・美」に対応してませんか。厳復はカント哲学を読んでいたのでしょうか?あるいは何らかの書物を通じてその発想を得ていた? 善と達が対応するのも、英語でもjusticeでなくgoodnessみたいだし、訓読みしたと…

翻訳における雅俗の問題は古くて新しい

内輪の学会*1に出てました。午前は院生、午後が基調講演。最近、近代のことをやり始めたこともあって、どの発表もだいたい関係があっておもしろく聞きました。 発表の中で、特に気になったのは、霊学に興味があることもあって、尾崎さんの厳復の『天演論』を…

やっぱり双修?

霊学研で、前回に引き続き陳攖寧「黄庭經講義」の翻訳を発表。調べ切れてないけど、まあ何とか。アップしたのは口頭で訳した部分も落とし込みました*1。 「致虚」といってもこれは枯坐頑空じゃないよ、と陳攖寧は言います。これまでの内丹修行を補佐する方法…

愛と銭

二松学舎大学の人文学会で中沢新一さんの講演があるというので行ってきました。題目は「国文学と人類学」。どんなこと話すのかなーと思って、少し遅れて行ったら、どうも折口信夫の詩的言語とアボリジニの虹の蛇をくっつけた話でした。ほぼ日刊四谷会談ネタ…

魂のダウソロード

復活したWIRED VISIONでいちばん注目してるのは白田さんの連載(を儒学的文脈に置きなおして楽しむこと)だったりするのだけど、なかなかぐっとくるネタが転がってきました。「魂のダウンロード」だそうです。仲間由紀恵が歌ってたのは「恋のダウンロード」…

昌平坂学問所と『易筋経』?

『易筋経』で論文を検索したところ、『易筋経』の翻訳が見つかりました*1。翻訳と別に影印が載せてあるんですが、これが江戸の写本とのこと。露伴先生苦労して入手したのに、すでに日本にあったとは。 しかしこれがどこの所蔵か書いてなかったので、全国漢籍…

露伴と『易筋経』

その八幡書店で見つけたのが、『易筋経』の大正時代の翻訳*1です。李老師が言われてたのはこれですね、きっと。翻訳があると聞いて調べたものの目録にはヒットせず、うーむとなって放置すること数ヶ月、見つかるときはあっさり見つかるものです。 見つからな…

蛇の道はヘビ

品川教室のO師兄より、霊学関係の書籍をお借りし、そういった本が多い書店として目黒の八幡書店*1を教えていただきました。さすが蛇の道はヘビ!感謝、感謝。 八幡書店は明治大正期の復刻をかなりしているようで、霊学関係の本が、まあたくさんあります。お…

『中国学への提言』

まだ僕のところには届いてないので、仕方なく借りて読んでます。遅らせて迷惑をかけている論文の枕にこれを使おうと思案していたり*1。問題意識を同じくしつつも、僕が考えるのはどう環境を整備していくか、というところに重点があります。受け手を多くする…

『大学章句』をゼロ年代から読む?

第二次惑星開発委員会*1があんまりおもしろくて、とうとう雑誌も買ってしまったのですが*2、共生の問題の最前線の一つはここだよなあと思いつつ、そこで議論されているポスト・セカイ系のゼロ年代の方法って、『大学』の八条目にその淵源があるなあと古典研…

科研費落ちた

落ちたのはとうに分かってて、ただいまスタートアップに再申請中なのですが、ちょうど落ちた内容の通知が届いたところなので、それをメモ。 うまくいけば、研究として北京に行って李老師(できれば于老師にも)にインタビューをしたり、伝統武術の教学の実態…

言語論としての正名や春秋の筆法

繁露研究会で「観徳第三十三」を読んでいます。内容は、天に星々が北極星の周りを秩序だってめぐっているように、地には人々が天子の周りに秩序だって並んでいて、その爵位は天より賦与された徳の高下によって秩序づけられている、というものです。それを実…