『諸病源候論』を読む(1)
僕のような研究をしている者にとって、中国医学の知識は重要なことは重要なのですが、なかなかとっかかりを得ることができませんでした。いや、ま、怠けてたわけですが。元来古典研究ということで文献にもぐる方だったので、取り立てて興味を引かれなかったというが正直なところです。ところが最近フィールドもやるようになって、ちょっと取り組んでみようかなとは思っていたところ、なんと大学院に鍼灸の大学を出て仕事のかたわら学びに来たという志の高いS師妹が。で、授業で『諸病源候論』を読むとのことで、参加させていただくことにしました。これで宗教(内丹)・養生(武術)・医療(中医)と三本柱揃う、のかな。
S師妹はさすがプロだけあって、文中に出てくる専門用語に強い。やっぱ語学と同じで語彙の量が物を言いますね。たいへん勉強になります。らっきー。
で、その『諸病源候論』がどんなもんかと目次をめくっていたら、巻27の「毛髪病諸候」に男子にとって死活問題が。「鬚髪禿落候」が冒頭に来るあたり、やっぱりそれが最重要問題なのかと思いきや養生法に関する記述は白髪の方が多いあたり、やっぱりいかんともしがたい問題だったんでしょうか。
ちなみそれを防ぐ方法はというと、
- 熱いものを食べて汗が出たときに風にあてられてはいけません。
- 整髪するときは東に向かい、梳る前に歯を九回叩いて呪文を唱えなさい。
- 梳るときは多めにして、血流をよくし毛根を鍛えましょう。でも痛くなるほどはダメ。
の3つのみでした。